COLUMN

11.税金

所得税はいくら?

「所得税」ってどうやって計算するの?

突然ですが
あなたは、所得税の計算方法を、自信を持ってお答えできますか?


◆「事業所得者」
の場合は確定申告を通して、自分で 「所得税額」 を計算して納税を行うので税金の仕組みにだんだんと詳しくなっていくことが多いのですが

◆「給与所得者」(会社員・公務員・パートなど)の場合はどうでしょうか?勤め先が、給料から所得税を差し引いて納税を行ってくれるので

自分では何もすることがなく「どうやって税金が計算されているのか
いつまでたってもサッパリ分からないけど、納めている!」という状態になりやすいのが現状です。

源泉徴収票を見ても、どういう意味なのかよくわからないと仰る方も多いですね。

~しかし~

・終身雇用制度が崩れ
・個人のライフスタイルが多様化し
・公的年金の受給額が縮小し
・社会保障費制度の全世代での痛み分けが本格的に議論されている今

自分のお金に鈍感なままだと、お金についての
知識のある人とない人の、将来資産の差は深まっていくばかりです。

 

ということで、基本に立ち返って
「所得税はどのように計算するの?」というお話をしたいと思います。

 

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所得税とは?

個人の所得にかかる税金で、国に納める 「国税」です。

(住民税は、納めるところが違いますので今回は割愛しますね)

「所得」税 というのがポイントで、
「年収」で、計算するのではないのですよ。

勘違いしやすいところなので、まずここを お間違いなく 。

どのように計算するの?

① 「年収」から、「給与 所得控除」というものが引かれます

※「給与 所得控除」の額は、年収に応じて自動的に決定されます。
例えば、年収500万の方は、154万円です。

なんのためか?というと

事業所得のように、必要経費を差し引くことができない代わりに、
「経費に相当する金額を引いてあげましょう!」
という計らいですね。

② 「個人的事情」を加味してもらいます

例えば、年収が全く同じ
  • 扶養家族がゼロ人の、健康なAさん
  • 大学生の子供がいて、教育費の負担が大きいBさん
  • 体を壊して多額の医療費を負担しているCさん

「年収」-「給与 所得控除」 の計算式だけだと、みな同じ、所得税額になってしまいますよね。

それだと大変でしょうね、ということで、
「所得控除」というものが用意されています。

 

「条件に当てはまる方は、所得税が少なくなるよう調整しましょう!」

という計らいです。

「所得控除」は、全部で14種類 

みなさん、全部お分かりになりますか?

会社の年末調整で申請できるものもあれば、
自分で確定申告をしなければ申請できないものもあります。

 

「あなた、申請忘れてますよ~!
本当はもっと少ない税金でいいんですよ~!!」って、税務署は教えてくれません。
(逆に、納税額が足りてませんっていう時は、問い合わせが入る可能性があります。)申請し忘れているものがないようにして下さいね。

(所得控除を、カンタンにまとめました)

・雑損控除 ←災害などを受けた時。
・医療費控除 ←セルフメディケーション税制もスタート。
・社会保険料控除 ←20歳~の子供の国民年金を払ってあげた時も忘れずに!

・小規模企業共済等掛金控除 ←イデコに入ると使えます。
・生命保険料控除
・地震保険料控除

・寄付金控除 ←ふるさと納税で税金が安くなるのはこのため。
・寡婦控除・寡夫控除 ←ひとり親になったり死別したとき。
・配偶者控除

・配偶者特別控除 ←今年より拡大
・扶養控除 ←子供が19歳以上23歳未満の時は額が大きくなりますよ。

・障害者控除
・勤労学生控除
・基礎控除 ←拡大が予定されていますね。

 

 

③ 「年収」から「給与 所得控除額」と「所得控除額」を引きます

出てきた金額のことを「課税所得金額」と言います。「課税」 という言葉に ピンときた方!
そうです。その通り。

④所得税額は「課税所得金額」を使って計算します

年収ではなく、いろいろな控除を引いた後の金額である

「課税所得金額」 を基にその人の税率が決定されますし、税額も決まります。

課税所得が大きくなればなるほど、多く所得税を納める仕組みです。

 

以上、かなりざっくりとまとめた説明ですが
みなさんが自分のお金に対する感覚を磨いていくお役に立ちましたら幸いです。

(ちなみに、マイホームを購入した時の「住宅ローン控除」は、
「所得控除」ではなく 「税額控除」です。 ケースバイケースですが、所得税が全額戻ってくることがあると言われるのはこのためです。 税金は奥が深いですね。)