変額保険って、どうなんでしょうか?

変額保険という商品をご存知でしょうか。

「保険」と「投資信託」を組み合わせた商品です。

「将来の資産形成に変額保険を勧められたのですが、どうなんでしょうか?」

というご相談が増えておりますので、私の見解を述べたいと思います。

というのも、あいまいな理解のまま契約をしてしまうと、将来にわたって失うものが大きすぎることがある、という特殊な保険商品だからです。

外貨建保険などもそうですが、10年以内に解約すると解約払戻金が極端に少なくなる「解約控除」がある保険は全て、変額保険と同様に、よく考えてから加入を検討して欲しい商品です。

「10年間解約しなければ大丈夫」

という説明を受けて、このペナルティがあるから将来の資産が増えるんだ!と勘違いをされている方がいらっしゃいますが、本質は違います。

支払う保険料の大部分が保険会社の経費に回っていて、あなたの資産形成はマイナスからスタートしているから、早期に解約されてもお戻しができる金額は少ないのですよ、と捉えることが適切です。

変額保険は、死亡保障つき投資信託です

保障がついているのですから、純粋な資産形成として自分で投資信託をつみたて購入する場合に比べて、加入当初はもちろん、その後も継続してコストがたくさんかかります
保険営業の方へ支払われる販売手数料といった直接見えないお金も全て、あなたの納める保険料から支払われていくからです。

ですから、死亡保障が目的で、保険料にも納得されているのであれば、自分が受け取れる解約払戻金が、ゼロだったり、大きな元本割れからスタートしていくことは受け入れられることでしょう。

(変額終身保険においては、終身死亡保障として活用する場合には価格優位性がある場合もあります)

けれども、なぜだか不思議なことに
「保死亡障は必要ないんだけれど、資産形成のために加入したんです。」と口にされる方がとても多いのです。

「資産を大きく増やしたい!」という目的で加入するのであれば、大幅な資産減からスタートし、なおかつ、その損失額を取り戻すだけで何年もかかるという事実が確定されているのは、明らかに資産形成において不利な状態です。

変額保険だから特別な投資信託が用意されていて、大きな利回りが約束されているという事実はありません。変額保険は、保険会社が用意した投資信託の中から自分で商品を選んで運用するのですから、運用結果は自分次第という点で、自分で運用するのと同じなのです。

変額保険の設計書には、運用実績ごとの一覧表が載っています。
「6%で運用できた場合には、こんなにも資産が増えるんですよ!」という営業の方の説明に惹かれて契約を決める方が多いようですが、同じ6%であれば

自分で運用をした場合の方が、受取額は格段に増えます

どれくらい将来の受取額が違ってくるのか?ということは、個別に試算してみないと分かりませんが

変額保険の設計書の各条件に合わせて、保険会社を介さずに全額投資できた場合を試算してみると、数十年後には1,000万近くもの差が出てくることもあります。

もちろん、年齢、期間、月々の掛金、保険商品、税金等によっても違うので一概には言えませんが、200万、300万の差が見込めるケースはよくあります。

ですから、客観的に比較をした上で
その額が、あなたにとって納得できる金額であるのか? を考えてみることが、変額保険で資産運用をしたいのか、ご自分で資産運用をしたいのかを決める際の判断材料になります。

ご自身にとって、200万、300万が全く気にならない金額であり、資産運用を学びたいという気持ちもなく、保険という仕組みが心地よいということであれば、変額保険で運用をすることが、その方にとって合っていると言えるでしょう。

しかし、客観的に比較をしてみた結果

200万、300万という差は自分にとって大きい、資産運用について学びたい気持ちもある、と感じた方は、ぜひ、ご自分で資産運用を行うことも検討してみて欲しいと思います。

国は、投資が初めての方にも少額から取り組みやすいように「iDeCo」や「つみたてNISA」といった税制優遇を設けた制度を用意しています。国民一人ひとりが、金融リテラシー(お金の知識・判断力)を高め、自助努力で、将来に向けて豊かな資産形成ができるように応援してくれているのです。

変額保険ではなく、iDeCoで資産運用をしたいと保険営業の方に伝えたら

このように言われたんです…。
という方に私はお会いしたことがあります。

「自分で資産運用なんて結局できませんよ。iDeCoで運用すると言ったって、実際上手くいっていない方がほとんどなんです。だから変額保険に加入しておくことがあなたにとって1番いいのですよ。FPとしてこれまで数千人のお客様を見てきた私が言うのですから、間違いありません!」


このお話を聞いた時、私は複雑な気持ちになりました。
あなたは、どうお感じになられましたでしょうか。

私は、ファイナンシャル・プランナーとして、はっきりと断言できます。
学びたいという意欲のある方に、きちんとお教えすることができたなら、必ず、その方は

自分で資産運用をして、将来の資産形成ができるようになれます!

もちろん、学ぶために時間を割いて頂く必要はあります。
これを買えばあなたは何も考えなくてもいい、という依存を促す話ではないからです。

闇雲に行き当たりばったりを繰り返し、ゴールを見据えた運用ができていない人が多いことは保険FPの方が言われたように事実ですが、それは基本から順番に学んだことがないからです。
教えてくれる人に出会ったこともないからです。

経済は動いていますので、お金のことは学び続けていく姿勢が必要です。
そのことに気づき、学び続ける人は、お金という道具を人生の味方につけていくことができます。

このように考えると、世の中には様々な習い事がありますが、
お金の勉強にお金をかけるというのは、人生において、とてつもなく費用対効果の高い「投資」ではないでしょうか?

私は、クライアント様のために何ができるかを、お会いしている時もお会いしていない時も、絶えず考えているのですが、なんというか… お金の家庭教師みたい、と感じているこの頃です。

「自分の未来をよくするために、真剣にお金に向き合いたい」という気持ちがない方の前では、私は何のお役にも立てません。

けれど、自分のお金に向き合うことを決め、未来をもっとよくしたい!変わりたい!という想いがあるクライアント様に対しては、私は、大きな価値を提供していけるからです。