COLUMN

13.がん

がんにかかわる方へ

私が、がんにかかわるようになったのは

2002年。

20代半ばで、とある外資系生命保険会社の面接を受けた日からでした。

面接時間のほとんど全てが、がんの話だったのです!

今の保険業界からは想像できないと思いますが
1974年から2000年までの26年間、日本でがん保険を販売している保険会社は、

この会社 1社しかありませんでした。

私は、会社の創業精神に心を打たれ、代理店研修生として採用されました。

地下鉄を降りて、一件一件。 家・アパート・会社・飲食店・目にする建物すべてを、がん保険のパンフレットを持って訪問していました。そして、毎日毎日、がんの事を伝え歩いていました。

 

「がんなんて自分には関係ない」

という方には、「がんは、誰もが罹る可能性のある病気なんですよ」と伝え

「私もがんになったのよ」「家族ががんになってね」という方からは、
あふれ出るお話をたくさん聞かせて頂きました。

庭先や駐車場でも「はじめまして」と笑顔で話しかけていた私は、多くの方に受け入れて頂き
がんについて語った方々との出会いは、これまでで、3,000名をゆうに超えています。

代理店業務では、年々、がん保険の支払い手続きが多くなり、「がんとお金」はすっかり私のライフワークになっていました。
そのような中、自分の家庭においても子供達が2歳と5歳の時に、夫にがんが見つかったのです。

治療は順調で、半年に一度の経過観察だけで済み、
病気になる前よりも、家族で充実した日々を過ごせていた状態でしたが、

3年半を過ぎたところで今度は、転移でも再発でもない全く別のがんが見つかり、再び、命と向き合い続ける生活が始まりました。

 

夢と希望を抱いた、明るい闘病生活

でしたが、夫婦そろって、心がズタズタに引き裂かれる思いをしたこともあります。

そこで、不安で足がすくむどうしようもない恐怖から、私は、家族の未来を描ける光が見えることを願って、朝起きして、ファイナンシャル・プランナーの試験勉強を始めてみることにしたのです。

そして、勉強を進めていくうちに
目からウロコが落ちる、発見をしてしまうことになりました。

今まで、保険という分野でしか、お客様をがんによる経済的・精神的苦痛からお守りできる方法はないと思い込んでいましたが

「家計管理」「税金」「年金」「社会保障」「住宅ローン」「不動産」「相続」「資産運用」
など・・・

世の中には、お金にまつわる手段や制度がたくさんあり、
それら全てを総合的に活用してご相談をお受けすることができれば

お客様の表面的ではなく、こころの奥深いところにある
最終的に到達したい願いの実現においても、力強くお役に立てると確信したのです。

 

これが、夫亡き後に私が、独立系のFP事務所を開業した経緯です。

私は、

がんになっても、
自分らしく、なりたい未来を生きることができる世の中に

今後ますますなっていけると信じています。

そして、がんになった本人、家族が、後になってから
「あんな選択をしなければよかった」と後悔することがない世の中になって欲しいと願っています。

暮らしや精神状態を大きく左右していくお金にまつわる様々な選択は、
正しい情報が揃ってはじめて、後悔しない選択が出来ます。

しかし、複雑でわかりにくいうえに、「自分の場合はどうなのか?」が何より重要ですから、
縦割りの相談では、全体像が見えなくなってしまいかねません。

本物のファイナンシャル・プランナーであれば、
ご相談を伺った上で、金融の全分野から、お客様が望まれている生き方を実現可能なものとするために必要な情報提供ができます。

ひとり一人に合わせた安心感や豊かさ、心のゆとりを提供していくことができます。

 

「がんに関わるかたへ」

というタイトルで記事をまとめましたが、

日本人の2人に1人が、かんに罹るという現代社会において、
実際には、家族、職場、友人関係、地域で、一生のうちに一度もがんに関わらない方というのは、1人もいないのです。

私は、ファイナンシャル・プランナーという職業が提供できる
お金とこころの両面からのサポートを通じて

がんになっても、ひとり一人が自分らしく生き、夢を叶えていける社会の実現に貢献していけると信じています。