COLUMN

06.家計

家計管理の基本は、しっかりとした土台づくりから

「砂上の楼閣(さじょうのろうかく)」ということわざをご存じですか?

日常生活ではあまり使わない、ちょっと難しい言葉ですよね。

類義語には、「絵に描いた餅」「机上の空論」などがありますが、「砂上の楼閣」の言葉の持つイメージが、日々ファイナンシャルプランニングに従事している私としては、一番しっくりきています。

ということで、少しご説明をさせてくださいね。

「砂上」は砂の上、「楼閣」は高くそびえ立つ立派な建物のこと。つまり、「砂上の楼閣」というのは、砂の上に建てた高層の立派な建物のことです。

 

地盤がしっかりしていない砂の上にいくら立派な建物を建てたとしても、長く維持は出来ません。雨が降り、風が吹いたらあっという間に崩れてしまいますね。

このことから、「砂上の楼閣」ということわざは

【たとえ実現したとしても、もろくはかなく、長続きしないこと】

【考えはもっともらしく見えるが、そもそも実現できないこと】

の意味で使われています。

 

FPとして、クライアント様と未来について計画を練る上で気を付けていること

それは、明るい未来を描きながらも、砂上の楼閣にはならないように!」することです。

一瞬、夢が叶ったように思えても、何かの拍子にもろく崩れ去ってしまうのならば、それはクライアント様が望んでいた未来ではありませんものね。例えば、「家を買った瞬間は喜びいっぱいだったけれど、今は住宅ローンを返すために、やりたいことを諦める日々で辛い」とか…。

 

しかし、現実には、聡明な方でも自分の人生を左右するお金の選択においては、目の前のことしか見えていないことが多いのです。

意外に思われるかもしれませんが、保険・証券・住宅などの販売のプロに違和感なく自分のお金の相談をされてこられた方ほど、全体を俯瞰できていないことが多々あります。

その上、営業の方から知らず識らずのうちに刷り込まれてきた思考というのは強力なので、こちらが違う視点を話しても、その人本来のまっさらな思考に戻るまでに大変時間がかかることがよくあります。

 

本物のFPであれば皆そうであるように、私は、

・クライアント様が目の前のことしか見えていなくても
・金融商品を販売する方が目の前の契約しか見えていなくても

常にクライアント様の数十年先のことまで徹底的に考えながら仕事をしています。

そのような気持ちでいると、ご本人が気づいておられない、重要な事柄にアンテナが立つことは日常茶飯事です。この感度は、クライアント様とのお付き合いが長くなり、信頼関係が深まれば深まるほど上がっていきます。

ひとの人生に寄りそうFP業務というのは、マニュアルなんてない、とっても人間的なものなのですね。

 

あなたも、これまでの自分の人生全体を振り返ってみて下さい。表面からは見えない、とても深い人生を歩んでこられたことだと思います。

目の前に見えているのは氷山の一角です。
ご本人が気づいておられない状況や、心の奥の願いまで丁寧に汲んでいく心がけが、ファイナンシャルプランナーにとって非常に大切だと、常に肝に銘じて業務にあたっています。

 

家計管理の基本は、しっかりとした土台づくりから

実際の現場で感じることですが、お金のことを、バランスよくわかっている方というのはほとんどいません。

「〇〇については得意ですごく詳しいけれど、△△の知識は驚くほどすっぽり抜けている。」というように、皆さん、自分でこれまで考えてみたことさえない事柄が、対話を重ねるにつれていろいろと出てきます。

なので、誰にとっても共通して大切なことは、堅固な家計の土台づくりです。

◎曖昧なお金の知識・制度は、正しく学ぶことからスタートです。
◎家計の現状把握は、税金の流れまで含めて多面的に把握することからスタートです。

 

クライアント様とお金の勉強を一緒に進めながら、家計の地盤を固め、気になっているお金の問題に取り組んでいくと、みなさん徐々に心がスッキリしていかれます!

家計がイキイキして、人生が好転し始め、心が豊かに広がりをみせていきます!

起こりうる問題やお金の失敗を阻止できます!

お金に真剣に向き合うと、今も、未来もよくなっていくので、良いことづくめですね。

 

 

今日は、「砂上の楼閣」にはしない!という話をいたしました。

何か伝わることがありましたら幸いです。